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2012年5月19日土曜日

「婚活」時代


山田昌弘・白河桃子『「婚活」時代 (ディスカヴァー携書)』、2008 

「婚活」という言葉がずいぶん普及した。
意味は結婚を求めた活動ということであろうが、
そうであれば、今更そうした活動を「婚活」とあえて呼ばねばならない理由もない。
婚活とは、結婚を求めた活動ではない何か、あるいは、
少なくとも旧来の活動とは異なる何か、のはずである。

本書を読む限り、婚活が新しい何かというわけではないようだ。
今まで通りの婚活がうまくいかなくなっている背景と、その対策が語られている。
彼氏をつくらなくちゃ、30才までに結婚しなくちゃ、
これまで統一された名称もないままに行われてきた活動に改めて、
コンカツという言葉が与えられたということなのだろう。

一方で、ひとたび言葉が広まれば、その言葉を軸にして新しい活動が生まれる。
言葉が実を生み出し、その実が改めて言葉を規定する。
いずれ、婚活が新しい何かとなる。
それで結婚率が上がるかどうかはわからないが、
社会現象としてそれ自体が興味深い。